バックロードホーンは、ホーンの設計で低音の出方が違うのは当たり前ですが、どうやらロードのかかり方でコーンの振動が影響を受け、中高音まで変わってくるようだという気がします。また、背圧も悪さをしていると思われるのですが、こういう諸々の悪影響を無視できるくらい小さくできれば、バックロードの中高音はさらにのびのびとなってくれるのではないかという期待があります。
そこで、ホーンロードを受け持つユニットと、前面放射ユニットとを分けてしまい、かつ両者を背中合わせに逆相接続することにより、背圧をぎりぎりまで小さくしようというのが狙いです。
はたして、バックロードホーンの新しい中高音の世界を切り開くことができるか?
(1) 背圧をキャンセルするための背中合わせのキャビネットは、マグネットがぶつからないぎりぎりのサイズとし、内部のユニットの前面側からの放射をホーンに繋ぎます。
つまり、内部ユニットから見ればフロントロードホーンになります。(2) 部品点数を減らすため、ホーンは連続的に広がるようにしますが、エクスポネンシャルではなく、べき乗で広げます。
指数関数と比べると、初期に広がり率が大きく、出口に近づくほど広がり率が小さくなります。(3) ホーンというよりも末広がりのバスレフ形状ですが、実用機ではないのでホーン長は120cm、それでもスロートからの広がりは約6倍で、ホーンとしての再生限界は40Hz程度です。
(4) 実験なので8cmフルレンジを使います。
(5) 下図が構造図。
前面受け持ちのユニットが背圧ゼロとなった場合、中域から下が6dB/octで落ちるのを、後面受け持ちのホーンがカバーできるのかという大いなる疑問を持ちつつ特性を予想してみます。低域はホーンが短いので60Hzくらいが限界。バスレフとしてみた時は90HzくらいにFdがあたるので、実用機としてもそれなりに使えるかもしれません。
この構成では、低域は逆相で背圧は回避できますが、ユニット間の距離が半波長となる中高域のある帯域では同相になる周波数が出てきます。
(同相ドライブだと、同じ帯域に逆相になる帯域が出ます。)FE88ESクラスですと、大きいマグネットが干渉の邪魔をして問題は小さいでしょうが、それは特殊なケースというもの。
内部ユニットをハイカットして鳴らせば回避できるのでしょうが、コイルは使いたくありません。
ではどうするか。
と、こんな風に、位相がずれてしまう帯域にチューニングを合わせた内部バスレフ構成として、干渉波をアコースティックにハイカットしてはどうでしょうか。
ヘッドが大きくなるのが難点ですが、、、。
これも、時間を見つけて実験してみたい構成です。もっと時間を!